2024.11.19
2024.11.19
会社が事業を継続し、次世代まで生き残っていくためには、優秀な次世代リーダーが必要不可欠です。どんな優良企業でも、経営を引き継ぐ後継者がいなければ存続はできません。
だからこそ、ほとんどの企業は次世代リーダーの育成に力を注いでいます。しかし、後継者の育成に難航しているケースも少なくありません。
当記事では次世代リーダーの重要性から、育成が難しい理由について詳しくご紹介します。「次世代リーダーの候補はどうやって決めればいい?」「次世代リーダーの育成ポイントは?」などの疑問をお持ちであれば、ぜひご参照ください。
「次世代リーダー」は企業の将来を左右する重要なポジションです。ここからは、次世代リーダーとは何か、また、その重要性や育成が難しい理由について解説します。
次世代リーダーは企業の次の時代を担う幹部候補や経営者候補を指す言葉です。事業は継続を前提に展開されているため、後継者が必要となります。20年・30年後、会社の中心となり統率するリーダーの育成は、経営における最重要テーマのひとつです。
組織を統率するリーダーの存在は、企業にとって非常に大きなものです。企業は存続を続ける限り社会に貢献し続ける必要があり、従業員を守り続けなければなりません。そのためには経営の後継者が不必要可欠です。
会社を取り巻く環境は常に変化を続けており、現在の経営がいつまで通用するかもわかりません。そんな数十年先の将来、会社と事業を引っ張るリーダー人材の育成は、経営上において重要性の高いテーマだといえるでしょう。
次世代リーダーの育成が経営上において重要な課題である一方、育成がスムーズに進まないケースも少なくありません。近年では後継者が育たず、当代限りで廃業を選ぶ企業も増えているほどです。
帝都データバンクが2020年に行った全国企業「後継者不在率」動向調査によれば、調査を受けた65.1%の企業が「後継者が不在である」と回答しています。なぜ、これほど次世代リーダーの育成は難しいのでしょうか。後継者となるリーダーの育成がしづらい3つの理由について解説いたします。
次世代リーダーを育成するには、多彩な業務の指導・多角的な評価基準の構築・育成部隊の編成など、多種多様な準備が必要です。
そのうえ、この準備には相応の予算と時間を割かなければならず、資金や資源に限りのある企業では、育成環境を整えることが困難であるケースも少なくありません。
また、近年では終身雇用制度が機能しなくなりつつあります。そのため、人材の流出によりリーダー候補の育成が難しくなっていることも、後継者不足の要因のひとつでしょう。
「後継者を育成したいけれど、なかなか育ってくれない」という課題を抱えた企業は、上記のような悪循環に陥っている可能性があります。まずは「次世代リーダーを育成できる体制が整っているのかどうか」を見直してみるとよいでしょう。
次世代リーダーを育て上げるには、経営学・哲学・マネジメント・リーダーシップなど、さまざまな分野を学ばせなければなりません。また、育成中は周囲の協力を得て指導する必要があるため、結果として経営上の優先順位が低くなりやすいです。
また、何をもって「次世代リーダー」として認めるのかという基準も不透明で、効果測定や費用対効果が目に見えづらく、敬遠されやすくなります。
これから次世代リーダーの育成に着手するのであれば、育成に伴う明確な評価基準や合格テストなどを設けるといいかもしれません。次世代リーダー育成期間は費用対効果が薄いと感じるかもしれませんが、将来的な資産として着実に残っていくはずです。
次世代リーダーとして必要な教養を学ばせても、実際にリーダーとして経営に携わるまでにはタイムラグがあります。学ばせた知識やスキルを、即時実践できる環境を整えるのは簡単ではないからです。
ただし、実践までに時間が空くと学習した内容を忘れてしまうため、十分な育成効果が得られない可能性が出てきます。
次世代リーダーとして必要な教養やスキルを与える一方で、実践的に学べる環境をどのように整えるか、事前に考えておく必要あるでしょう。経営を実践的に学べるセミナーなどを活用するのも有効な手段のひとつです。
次世代リーダーの育成に踏み切るならば、まずは次世代リーダー候補となる人材を選別しなければなりません。次世代リーダーに適した人材とはどのような人物なのでしょうか。
細かい考え方は企業によって異なるものの、次世代リーダーになるための、最低限必要なスキルや要素が存在します。それは、「テクニカルスキル」「マネジメントスキル」「マインド」の3つです。
テクニカルスキルとは、経営者としての職務を遂行するために必要なスキルの総称です。知識や技術はもちろん、それぞれの熟練度も含まれます。経営に関する知識から経営理念に沿ったビジョン、目標設定、理念浸透に向け発信し、統率するリーダーシップなど、全てが経営者として求められるテクニカルスキルです。
経営理念や経営ビジョンは「誰が話したか」によって、浸透度合いが変わってきます。経営者として従業員からの信頼や尊敬を得られれば、理念の浸透により企業は成長に向かうことでしょう。
一方で「この人は信用できない」「この人の話は聞きたくない」と思われてしまうと、どんな理念やビジョンも伝える機会がなくなってしまいます。そのため、熱意と説得力を持ってリーダーシップを発揮できるか否かも、次世代リーダーとして問われる資質のひとつです。
どれだけ優れた経営ビジョンを掲げても、実際に叶えるプランや戦略がなければ机上の空論にすぎません。次世代リーダーには、企業として定めたミッションやビジョンを叶えるために、必要な戦略やプランを考案するマネジメントスキルが必要です。
具体的な戦略の立案から、進行中のPDCAなど経営に関わる課題全体を把握し、改善案を出し続け、組織を成功に導かなければなりません。次世代リーダーに求められる主なマネジメントスキルは下記の通りです。
優れたリーダーシップと上記のマネジメントスキルが揃ってはじめて、次世代リーダーとしての資格がありそうだといえます。
最後に必要となるのが、リーダーとしての「マインド」です。経営はスキルや能力だけでなく、経営者本人の人格や価値観によっても左右されます。具体的には「仕事観」「人間観」「人生観」の3つです。これをマインドセットと呼びます。
働くことに対して「なぜ働くのか」と聞かれたとき、どのような返答ができるかというものです。「生活のため」「お金のため」「プライベートのため」など、さまざまな答えがあるでしょう。次世代リーダーには「仕事を通じて多くの人を幸せにしたい!」というような利他的な精神が求められます。
リーダーは時として自己の欲求よりも組織を優先しなければなりません。組織のトップに立つ存在として「自分だけが良ければいい」という利己的な価値観では、リーダーシップを発揮するのは困難でしょう。
人間観は人格的な要素のことです。リーダーとして人の行動や成果を評価する際に深く関わってきます。性善説・性悪説に由来する部分ですが、人は他人を評価するときに「肯定的」「否定的」のどちらかに捉えます。
例えば、部下が十分な成果を出せなかったとき「君は後先を考えないからダメなんだ!」と否定的に捉えるのか、それとも「失敗から学ばせるためにやってもらったんだよ」と肯定的に捉えるのか、ということです。
否定的に捉えるリーダーを支えようと思ってくれる従業員は少ないでしょう。成功・失敗を問わず否定されると感じると、部下は新しい意見やアイデアの提案をするのも避けるようになり、組織として衰弱していく未来が待っています。
失敗も成功も肯定的に捉えられる次世代リーダーであれば、部下や従業員からも支持されるようになり、組織として活性化することができるでしょう。リーダーがどのような人間観を持っているかによって、組織の雰囲気や社風は左右されます。だからこそ、次世代リーダーには人間の行動を肯定的に捉えられる人間観が必要となるのです。
人生観は、自身の「生き方」に関する価値観・考え方です。自分自身の中でどのような人生観を持ち、どのように生きるのかで、周囲に与える影響やリーダーとしての成長に大きく影響します。
例えば、「人生は何をしても無意味なものだ」と虚無感に包まれた人生観を持っていては、リーダーとしての成長は期待できないでしょう。また、負の感情や発言は、従業員や部下のやる気を削ぎ、組織に対してマイナスな影響を与えてしまいます。
一方で「一度きりの人生、やれることは全部やってみよう!」と意欲に満ちた人生観を持っていれば、挑戦を繰り返しリーダーとして成長し続けることができるでしょう。
そのうえ、周囲の意欲をかき立てる原動力になり、組織としての一体感を生み出し、プラスの影響を与える存在となるのです。
これらのマインドは次世代リーダーとして必要不可欠な要素です。ただし、マインドはこれまでの生き方によって決まるため、育成によってリーダーとしての品格を身につけ導くために、相当な時間と労力が必要となります。だからこそ、多くの企業は後継者不足に苦しんでいるのです。
次世代リーダーは多くの資質やスキルが求められる一方で、育成の方法に注意しなければなりません。基本的なスキルや教養の学習以外に、次世代リーダーを育成するためのポイントをご紹介します。
リーダーとして活躍している人の多くは、最初からリーダーとしての品格や人格を備え持っていたわけではありません。長い時間と周囲の協力を経て、リーダーとしての自信を獲得しているのです。
どんな育成を施したとしても、候補本人がリーダーになるという自覚がなければ、効果は半減してしまいます。次世代リーダーを育成するには、まず候補となる人材に「自分はこの組織のリーダーになるんだ」という自覚を持たせることが重要です。
リーダーになるという自覚を持てば、イチ社員としてだけではなく、経営目線から普段の業務に挑めるようになります。自身の仕事や立場、自社が行なっている戦略の意味など、状況を多角的に捉えることで、将来の経営者としての力が養われるのです。
本人の自覚と周囲の協力、そして必要なスキルを学べる環境が揃ってはじめて次世代リーダーの育成がスタートします。
経営層が「この人に次のリーダーを任せたい」と思ったとしても、候補生本人が「自分にリーダーが務まるのか?」「もっと適任の人がいるんじゃないのか」といった不安や悩みから、リーダーへの立候補を躊躇する場合があります。
そのような不安や悩みに耳を傾け解きほぐし、次世代リーダーとして自信を持って歩みだせるようサポートすることは、育成の大切なポイントのひとつです。本人が安心して育成プログラムを受けることで、キャリアアップの加速も期待できるでしょう。
今回の記事は次世代リーダーの重要性と、育成方法までをご紹介しました。リーダーとしての品格を身につけるには、技術面・知識面・精神面とあらゆる側面での育成が必要です。
十分な素質を身につけるには6~10年前後と長い時間が必要です。そのため、候補生の選別や育成カリキュラムの構成は、早い段階で行なったほうがよいでしょう。次世代リーダー育成に向けたオンラインセミナーなども多数提供されています。ぜひ活用してみてください。
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