2024.11.19
2024.11.19
近年、経済・社会の変化は目まぐるしく、市場の先を読み解くのが困難な状況となりつつあります。そうしたなかでビジネスをけん引するリーダーの重要性はさらに高まっているといえるでしょう。市場の変化に柔軟に対応し、会社の生産性を上げていくためには、メンバーを的確に動かせるリーダーの存在が欠かせません。
しかし、優れたリーダーの育成において
「プレイヤーとしては優秀だが、マネージャーとしては……」
「リーダー候補の社員が育成できない」
「座学が実践につながらない」
「そもそもリーダーの育成方法がわからない」
というような課題に悩まされている企業が少なくありません。
そこで今回は、88,000人以上のリーダー・管理職への研修実績がある当社FCEトレーニング・カンパニーが「7つの習慣」をかみ砕き、3分でわかる実践のための要約まとめをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
まず、リーダーとプレイヤーでは求められる能力が違うという点について理解しておく必要があります。
トップ営業マンで営業活動では社内に並ぶものがいないというプレイヤーや優れたサービスやヒット商品を作りだす優秀なプレイヤーが、必ずしも優れたリーダーになれるわけではありません。なぜなら、プレイヤーとリーダーの評価はまったく別物だからです。
ある調査によると、社員が退職する理由の約36%が、上司との人間関係や信頼関係に起因するものとされています。つまり、リーダーに必要とされるのは「何があってもこの人についていきたい」と部下に思わせる魅力・信頼ではないでしょうか。
また、当社が実際に約88,800人に行なった研修アンケートの結果によると、リーダーとプレイヤーに求められるスキルの違いが、さらに明確に現れました。
プレイヤーに必要なスキル | リーダーに必要なスキル |
・豊富な専門知識 ・優れたプレゼン能力 ・業務遂行力 ・目標必達に対する執着心 ・成果さえ挙げていれば問題なし | ・豊富な専門知識 ・業務遂行力 ・経営管理スキル ・「ついていきたい」と思わせる人格やマインド ・部下に興味を持ち、よく理解している ・明確なビジョンを持っている |
つまり、リーダーには高い専門知識や業務遂行力はもちろん、明確なビジョンを持ち「この人についていきたい」と思わせるマインドや人格性が備わっている必要があるのです。
「無意識」を教えるとは、上司や先輩が特に意識してやっていないスキルを、部下に教えるということです。言い方を変えると、優秀なプレイヤーが普段何気なくこなしている「無意識に普通に」実践できていること。それをリーダーとして体系化し部下に教えるということになります。
たとえば、
「なぜ、もっと高いモチベーションを維持できないの?」
「なんで、こんなことができないの?」
「主体性を持って進めるだけでしょ?」
という言葉を部下に対して発してしまう方は「無意識」を教えるのが得意ではないプレイヤーといえます。本人は「できて当たり前」と思っており、「そもそも教えるべきことではない」「習ってないから教えられない」というようなマインドである場合が多いためです。
「無意識」を部下へ丁寧に教えることこそが、リーダーに求められる大事な素養です。しかし「無意識」を部下に教える難しさにプレイヤーの多くは気づいていません。
部下にとって、具体的に教えてもらえず「できて当然」という態度をとられることは非常に心苦しいものですし、立場的にも辛くなることでしょう。
優秀なプレイヤーが優秀なリーダーとなるためには、「無意識」で行なっているスキルや行動様式、思想を体系化・見える化することが大事です。体系化・見える化したうえで、第三者にもわかるように教えられるスキルが必要となります。
長期的に成功するリーダーを育成するためには、
・マインド(価値観、思考特性)
・マネジメントスキル(正しい仕事の方法)
・テクニカルスキル(知識、技術)
という3つのスキルをバランスよく教えることが必須です。しかし、企業では即効性のあるテクニカルスキルばかり教えるケースが少なくありません。
知識や技術を教えて実践させることができれば、短期的に成果を挙げることはできることでしょう。しかし、マインドとマネジメントスキルを持たない人材が、優れたリーダーになれる可能性は決して高くありません。
会社がどのような価値観を持ち、どのような方向に向かって進むか理解するマインド。そして、それを多くの部下を巻き込みながらミッションを達成するマネジメントスキルがなければ、チームで大きな成果を挙げるのは困難なためです。
では、今回のテーマである『7つの習慣』について簡単にご説明します。
『7つの習慣』はスティーブン・R・コヴィー博士の著書であり、全世界で4,000万部、日本においても240万部という大ベストセラーとなっています。コヴィー博士は英国「エコノミスト誌」によって世界でもっとも大きな影響力を持つコンサルタントと評価されている人物です。同氏は著書にて優秀なプレイヤーを優秀なリーダーに成長させる「7つの習慣」を紹介しています。
『7つの習慣』は、過去200年間の成功者の「在り方」や「考え方」の共通点を体系化した論文を書籍化した内容となっています。本書の中で、『7つの習慣』は原理原則として扱い、企業理念や価値観などを従業員に腹落ちさせるためのツールとして紹介しています。
つまり、『7つの習慣』は、それを習得すること自体が目的ではなく、企業理念や価値観を大切に思う気持ちを醸造するための有効な手段であるということです。
『7つの習慣』では、「パラダイムと原則」という土台に基づき、ものの見方や考え方の視点を大きく変えることで、行動に変化をもたらす必要があると述べています。なお、「パラダイム」とは、これまで普通や当然だと思われていた思想や認識のことです。『7つの習慣』がどのようなものなのか、それぞれについて解説します。
『7つの習慣』における、第1から第3までの習慣は「私的成功」と呼ばれ、いわば自立するための習慣となります。
ここでいう「自立」とは、物事を自分ごととして捉え、自分自身の強い意志で自制しながら責任を持って進めることです。他人への依存や、失敗を他人のせいにすることは、私的成功とは逆の立場になります。
私的成功とは、自分自身をコントロールするセルフマネジメント能力を身につけることです。なお、経済的な自立も、『7つの習慣』における私的成功ではないので注意が必要です。
それでは第1から第3の習慣について、簡単に内容をご説明します。
第1の習慣は「主体性を発揮する」ことです。自分の行動はすべて自身で選択可能なため、それによって起こる結果を予見したうえで行動することが、すべての始まりになります。
第2の習慣は「目的を持って始める」ことです。
たとえば、ことを成すためには、自分が大切にする人生の目的を明確化して実現するために、まず「行動する」ことが重要になります。しかしながら、多くの方が日々の仕事に忙殺され、なかなか行動に移せないのが現実です。
そこで、ポイントとなるのが自分のミッション・ステートメント(共有するべき日々の目標や価値観)を書いておくことです。自分自身が迷わないように、目的実現に向けてベクトルを明確化することができます。
なお、ミッション・ステートメントは適宜見直しをかけることができます。このとき、修正して新たな行動に移行するプロセスが大切です。
第3の習慣は「重要事項を優先する」ことです。
仕事を効率化するためには、数多くある業務の中からそれぞれの優先順位を明確化することが大切です。たとえば、緊急だけど重要度が低い案件と、緊急ではないが重要度が高い案件であればどちらを選択するべきでしょうか?
ここで重要事項が明確になっていれば、迷わず選択できますが、そうでない場合はどちらにするべきか迷ってしまうことでしょう。その結果、効率を損なう可能性が高くなります。
スムーズに業務を進めるためには、自分にとって大切なことが何なのか明確化し、優先順位をつけることがポイントです。
『7つの習慣』の第4から第7の習慣は「公的成功」と呼ばれています。「公的成功」とは、他社や会社、地域社会などと連携してシナジー効果を発揮することで、自分ひとりではなしえない大きな成果を実現することです。
つまり、第1から第3の習慣で得た「私的成功」というパラダイムを超えて、以下で説明する習慣を実践し「公的成功」を得るためのパラダイムシフト実現を目指します。
第4の習慣は「Win-Winを考える」ことです。ビジネスワードとしてもよく聞かれる「Win-Win」とは、自分と相手の両方にとってメリットがある状態を意味します。
つまり、ライバルや競合を蹴落とすのではなく、共存関係を築くことで長期的な成功を実現していこうという考え方です。そのためには、相手との信頼関係の強化が必須となります。
第5の習慣は「理解してから理解される」ことです。
前述したWin-Winの関係を構築するためには、まず相手のことをよく知らなくてはいけません。自分のことを理解してもらい良好な関係を築くためにも、まず相手のことを十分に知ることから始める必要があるという考え方です。
第6の習慣は「相乗効果を発揮する」ことです。相乗効果とは「シナジー」と同義になります。
相手との意見がぶつかった場合、折衷案を見出すことがビジネスではよくありますが、これはシナジーではありません。なぜなら、「折衷」という言葉からもわかる通り、両者ともに妥協するポイントがあるからです。つまり、これではWin-Winとはいえません。
よって、両者の違いを超え、Win-Winになれる第三案を見つける姿勢を持つことが大切です。
第7の習慣は「刃を研ぐ」ことです。ここでいう「刃」とは肉体と知性、社会・情緒、精神といったあらゆる要素が含まれています。
第1から第6の習慣を実践したことで、私的成功と公的成功を実現できたほうが、さらに継続的に成功するために、常に自分を磨き続ける必要があるという考え方が第7の習慣です。
常に学び続け、アウトプットのために行動を繰り返すことが、自分自身をよりレベルアップさせる方法といえます。
当社FCEトレーニング・カンパニーが提供している「7つの習慣(R)Innovative Mind」研修をご紹介します。
「7つの習慣(R)Innovative Mind」研修は「人格・人間性」を高める研修となっています。
先ほどもご説明した通り、長期的に成功するリーダーとなるためには、
・マインド(価値観、思考特性)
・マネジメントスキル(正しい仕事の方法)
・テクニカルスキル(知識、技術)
という3つのスキルを習得することが必要です。
本研修ではコヴィー博士が著書で伝えているように、「一次的な土台として人格を磨くことである。そうしなければ、長期的な成功は果たしえない」というアプローチで研修を実施します。
誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐・勤勉・質素・節制・黄金律など人の内面を見つめ直して磨いていくことに焦点を充てています。
リーダーが部下をけん引するためには、企業理念や価値観を浸透させるために積極的な発信をしていかなければなりません。会社の方向性を理解してもらわなければ、部下たちとシナジーを高められないためです。
本研修では、『7つの習慣』を有効活用し、企業理念や価値観を浸透させ部下全員に理解してもらうための共通言語をつくりだすことを目指します。実際に、本研修に参加された経営者やリーダーの方からは「部下に『本当に伝えたかった考え方・価値観』が整理されている」という感想をよくいただきます。
「7つの習慣(R)Innovative Mind」研修では、『7つの習慣』の「原理・原則」を受講者に腹落ちさせることを目的としています。確かに書籍版『7つの習慣』を読めば、それぞれの習慣の内容について知ることができるでしょう。しかし、実践し、ビジネスシーンに活用するところまではつながらないケースがほとんどです。
本研修では本を読むだけでは難しい「原理原則を理解し実践するビジネスに活用する」ところまでをフォローするため、以下の仕組みを準備しています。
・THINK:自身の課題を付箋で見つめ直す(自分ごと化)
・TRY:チャレンジメールを用いて実践(反復)
自分ごと化の定着、『7つの習慣』の「原理原則」をビジネスに活用できるレベルにまで腹落ちさせることが本研修における最大の目的です。
優秀なリーダーを育成するために、『7つの習慣』が有用なことがご理解いただけたかと思います。3つのスキル「マインド(価値観、思考特性)」「マネジメントスキル(正しい仕事の方法)」「テクニカルスキル(知識、技術)」を習得するためには、『7つの習慣』の「原理原則」を腹落ちさせ、自らの行動を変えることが必要不可欠です。
リーダーが変われば部下が変わり、そして組織が変わって会社が変わります。本記事を読んで「7つの習慣(R)Innovative Mind」研修に興味を持たれた方は、ぜひ当社FCEトレーニング・カンパニーまでご相談ください。
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