2024.11.19

2024.11.19

  • コミュニケーション

eラーニングは効果なし?うまく活用できない原因と対策は?

インターネットの普及により、企業ではオンラインでの研修(eラーニング)の導入を進める企業が増加しています。特に2020年以降は、新型コロナウイルス感染防止対策としても大きな注目を集めている研修方法です。

しかし、eラーニングは従来の研修方法に比べて効果が出ないといった声も少なくありません。今回はeラーニングとはどのようなものなのか、その概要やメリット、効果が出ない理由と改善方法、そして成果を上げるためにおすすめのeラーニング10選をお伝えします。

 

eラーニングとは?

eラーニングの「e」は、Electronic(エレクトロニック)を意味するもので、インターネットを活用して行う学習形態のことです。主にインターネットを活用してパソコン、スマートフォン、タブレットといったデバイスを使い、いつでもどこでも学習を行えます。

eラーニングは最近になって生まれたものではありません。eラーニングには従来の集団で行う研修に比べてさまざまなメリットがあることから、導入している企業は以前から多く存在します。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響から従来の研修を開催できなくなり、その代替としてeラーニングを導入する企業が近年急増しているのです。eラーニングは今、改めて大きな注目を集めている学習形態と言えるでしょう。

eラーニングのメリット

eラーニングには従来の研修に比べ主に次のようなメリットがあります。

教育コストの削減

従来型の研修は、参加者を収容できる場所の確保、作成した教材の大量印刷など、手間やコストがかかっていました。通信教育形式で自宅研修を行う場合でも、教材の印刷(CDやDVDの場合はダビング)、それらの郵送などといった手間やコストは避けられませんでした。

これに対し、eラーニングは場所の確保をする必要がなく、インターネット経由で学習を行うため、教材の印刷、郵送といった手間やコストがかかりません。結果としてeラーニングは教育コストの削減を実現しました。

教育内容の均一化

研修にはさまざまなものがありますが、少人数かつ1回のみで終わる内容でない限りは、同じ研修を複数回実施する必要があります。複数回研修を行なった場合に懸念されるのは、教育内容に差異が出てしまう可能性が高くなることです。

同じ教材を使えば同じ内容になる、と思われがちですが、実際には講師によって伝わる内容が大きく異なります。結果として受講者ごとに知識や成長に差が出てしまう要因となる可能性があるのです。

これに対し、eラーニングは、受講者の人数、開催時期にかかわらず常に同じ内容の教育が可能です。教育内容の均一化を図ることができ、社員によって教わった内容が違う、意識・教育レベルに差がでるといったケースがなくなります。

進捗度合いの可視化・把握

従来の研修や通信教育は、受講者の進捗度合の把握が簡単ではありません。なぜなら紙の教材を使っているため、本人に確認しないとどこまで進んでいるかがわからないからです。

eラーニングならば、受講者の進捗度合はシステム上に可視化されており、一元管理できます。受講者全員の進捗度合いをワンステップで把握することができるため、効率的に管理が可能です。

いつでもどこでも教育が可能

研修は決まった日時に決まった場所でなければ、教育を受けることができません。何らかの事情で参加できなかった受講者がいた場合、教育の不均衡が起きてしまいます。

eラーニングであれば、インターネット環境とデバイスさえあればいつでもどこでも受講が可能です。CDやDVDを持ち歩く必要もないため、より気軽に教育を受けることができます。

eラーニングが効果なしになってしまう3つの理由

eラーニングは従来の研修に比べ、さまざまなメリットがあります。しかし、導入したもののほとんど効果が得られずに利用を止め、元の研修形式に戻してしまうケースも少なくありません。

eラーニングに「効果なし」と思われてしまう具体的な理由には次のようなものが考えられます。

自社の目的に合ったeラーニングを選べていない

eラーニングは大きく分けて「福利厚生型」と「トレーニング型」の2種類あります。それぞれ目的・内容・学習方法が異なるため、事前に「eラーニング導入の目的」を明確にしないと効果が得られにくくなります。

・福利厚生型の特徴

社員満足度、エンゲージメントの向上を主目的とし、大量のコンテンツの中から社員が自由に学びたいものを学んでいきます。会社にもよりますが、コンテンツやコースの種類が豊富で、特にインプット型の学習に特化したタイプです。

・トレーニング型の特徴

教育、トレーニングを行うことで組織力の強化を主目的とし、企業側が社員それぞれに学ばせるべきコンテンツを選び提供していきます。福利厚生型と比べてコンテンツ一つひとつの質が高く、反復練習用のアウトプットを行えるといえるでしょう

このように「福利厚生型」と「トレーニング型」は全く異なる特徴があります。eラーニングの効果がないと感じている企業の多くは、それぞれの特徴を理解できておらず、自社の目的とマッチしていないほうを選択をしてしまっているケースがほとんどです。

学んだ後に実践の機会がない

eラーニングに限った話ではありませんが、インプットするだけでは、自分の力としてなかなか定着しません。重要となるのはインプットしたものをいかにアウトプットするかです。

例としてスポーツで考えてみましょう。ゴルフや野球の場合、スイングやバッティングについて書籍で学ぶ、動画で見るだけではなかなか上手くなれません。やり方をインプットした後に実践・反復練習して体に覚えさせることが上達の近道となります。

eラーニングも同じで、学習したことを自分の力として定着させるためには、アウトプット(実践)の場がなければ、成果が出にくくなります。実際にeラーニングに効果なしと感じてしまう場合、実践・反復練習の場が用意されていないケースがほとんどのようです。

受講者に合ったコンテンツを管理者が把握・選定していない

eラーニングは、社員がコンテンツを選択して学習する「福利厚生型」よりも、提供者側が社員に適したコンテンツを選ぶ「トレーニング型」のほうが高い効果を期待できます。

ここでポイントとなるのが、企業側が社員一人ひとりの課題を把握してそれに適したコンテンツを提供できるか否かです。万が一コンテンツのミスマッチが起きてしまえば、たとえトレーニング型であっても成果を挙げることが難しくなります。

管理者が社員に適した実践的コンテンツの提供をできていないことも、eラーニングで成果を挙げられない要因の一つです。

「効果なし」はもうさようなら!eラーニング実施のすすめ

eラーニングは企業にとっても社員にとっても、たくさんのメリットがあります。しかし、成果を挙げられなければ導入する意味がありません。ここでは、eラーニングを導入し確実に成果を挙げるためのポイントをお伝えします。

置換力を鍛える

どれほど優れたコンテンツであっても、なんとなく聞き流しているだけでは自分の力として定着させられません。eラーニングを受講する際には、内容、事例、具体的な方法などを常に「自分ごと」として捉える「置換力(ちかんりょく)」が必要です。

置換力とは、ものごとの本質を捉え、自らに適応できるよう、置き換えて理解する力です。たとえば、講義のなかで、過去の成果事例を聞いた際、「過去の話だからとりあえず聞いておけばいい」と考えるか「今後、自分に何か起きた際、過去事例がトラブル回避の参考になるかも」と考えるかで、後々の成果は大きく異なります。

置換力を高めるためには、受講者が常に「目的意識」を持ってeラーニングを行うことが大切です。eラーニングで得たものを自分ごととして受け入れ、本質を理解し、目的に合わせて具体的な行動に移せるように意識啓蒙をしていきましょう。

実践練習する

eラーニング学習を成果につなげるポイントの2つ目は、実践・反復練習することです。

学習のみで満足し「受講内容はすでにほかでも勉強していた」「過去事例として上司から聞いていた」だけで済ませてしまうと、なかなか自分の力にはなりません。

得た知識を使えるスキルとして身につけるためには、何度も繰り返して「型」として覚え込ませるのが最良の方法です。eラーニングでも受講者に「知っていることとできることとは違う」ということをまずは理解してもらいましょう。そして企業側も、実践・反復練習ができる環境を整えて実行を促してみてください。

思考をアウトプットする

eラーニングで得た知識をビジネスの場でいきなり実践しても成果は挙がりにくいものです。学習を活かすためには、まず自分の中で知識を整理するべきです。eラーニングの効果を高めビジネスの場で成果を出すためにも、「思考のアウトプット」を行いましょう。

eラーニングでの受講(INPUT)は学習の第一段階です。第二段階は「受講したことで何を感じ、考えたか?」を整理すること(THINK)です。そして、第三段階が「これから何を試すのか?」を明確にし行動に移すこと(TRY)となります。

思考のアウトプットを効果的に行うには、この「INPUT」「THINK」「TRY」の3段階で進めていくことがおすすめです。

他者と情報交換する

「思考のアウトプット」効果をより高める方法としておすすめなのが「他者との情報交換」です。eラーニング受講者同士で「THINK」「TRY」を一緒に行うと考えが整理されるとともに、新たな視点が得られます。これにより、アウトプットの質が高まり、成果を挙げられる可能性が高まるといえるでしょう

300社に聞いた!成果を出すきっかけになったeラーニング10選

最後に300社アンケートによる、実際に成果を出すきっかけとなったおすすめのeラーニング10選を紹介します。

7つの習慣®『リーダーシップ』講座

会社の中で部署、チームのリーダー、管理職の方におすすめの講座です。世界4,000万部、国内でも240万部発行のベストセラー「7つの習慣」を全90コンテンツ、約9時間20分の動画にまとめています。入社3~5年の次世代リーダー研修や7つの習慣研修を受講した社員の復習用コンテンツとして効果的です。

成果を出すために⼤切なこと⼊社直後編

新入社員や中途社員、新しいチームに異動したばかりの社員向け講座です。「成長できる土台を築く」「プロとして選び選ばれる」「成長を加速させるコツ」「会社の歴史を学ぶ」「目標はなぜ必要なのか」の全5コンテンツで構成されています。活用事例としては、会社への定着、即戦力社員の育成などが挙げられます。

生産性を上げるための仕事の仕⽅講座

上司とのコミュニケーションが上手くとれない、段取りや中長期的な仕事が苦手といった入社3年目以内の新入社員向け講座です。書籍「DIPS(知的生産性向上システム)」のノウハウを動画化したもので、部下の働き方改善、チーム内での勉強会などでの活用で効果を発揮します。

実践PDCA講座

PDCAの実践がなかなか上手くいかないチームリーダー向けの講座です。PDCAについて知っているが、ビジネスの現場で上手く実践できていないリーダーや管理職、もしくはPDCAを上手く回せない部下への指導法を学ぶことができます。「実践できる」ことにフォーカスしているので現場で成果を挙げるうえで大きな効果を期待できます。

部下育成に必要な7つのマネジメントスキル

仕事はできるが部下の育成に問題があるリーダーや管理職向けの講座です。チーム育成に欠かせないリーダーとしてのコミュニケーションスキルやマネジメント術を学べます。

ビジネスマナー講座

社会人になって間もない新入社員や若手社員向けの講座です。基本的なビジネスマナー、電話対応、メールの書き方などを学びます。入社1~3年目の社員に向けた復習プログラムとしても活用できるとともに、内定者への入社前の課題としても高い効果が期待できるコンテンツです。

営業⼒強化トレーニング講座

営業経験が浅いビジネスマン向けの講座です。また、営業成績が下がっている営業マンやチームの営業力向上を目指すマネージャーにも効果があります。年間2億円を売り上げているトップセールスマンも現場で実践している営業ノウハウを学べ、実践力を身につけられます。

コンプライアンス

新入社員、部下を持つ管理職、マネージャー、広報担当者などあらゆる立場の方に向けた講座です。現在、ビジネスを行ううえで避けては通れないコンプライアンスについて、知らなかったでは済まされない基本中の基本を学べます。これから社会に出ていく新入社員はもちろん、マネージャークラスの社員も必須のコンテンツです。

ロジカルシンキング講座

ビジネススキルの一つとして欠かせない論理的思考を学べる講座です。そもそもロジカルシンキングとはどのようなものなのかといったところから、現場で実践できるフレームワーク、ケーススタディなどさまざまな形で論理的思考を養っていきます。

最強組織のつくり⽅講座

チーム育成に課題を感じているリーダーやマネージャーに向けた講座です。3,000社以上から人事課題についてご相談いただいた内容をもとに制作されています。コンテンツは自走できるチームづくりに特化し、文字通り最強の組織づくりに最適な内容となっています。全4コンテンツ、約30分のなかに、組織づくりのノウハウを詰め込んでいますので、あらゆるリーダー、マネージャーにおすすめします。

まとめ

eラーニングはさまざまなメリットがあり、学習のポイントを押さえれば、さらに大きな効果を得ることができます。部下の育成、チームづくりに悩むマネージャー、生産性向上を目指す管理職などあらゆる層へ効率的な教育を施し、高い成果を実現可能です。

FCEトレーニングカンパニーでは、eラーニングで高い成果を挙げるオンライントレーニングシステム、「Smart Boarding」の提供を行なっています。eラーニングの導入を検討している、すでに導入しているがなかなか効果が出ないとお悩みでしたら、ぜひお気軽に当社へご相談ください。

 

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